緑内障ってどんな病気?
緑内障とは、眼の圧力などで視神経が傷つき、視野が狭くなっていく病気です。
まぶたの上からそっと目をさわるとわかるように、眼球は空気のつまったボールのように張りがあります。これは眼球の中の圧力(眼圧[がんあつ])が適度な硬さに保たれているからです。
ところが、眼球の後ろにある視神経[ししんけい]はとても繊細で、眼圧に耐えられないと押しつぶされて、傷ついてしまいます。残念ながら傷ついた視神経は元に戻りません。その結果、大事な視神経の数が減ってしまい、視野[しや]がだんだん欠けていきます。これが「緑内障」です。
しかも、早期に発見、治療して、病気の進行を止めないと、ついには失明に至ります。実際、緑内障は失明の原因の第1位であり、油断のできない病気なのです。 緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経という器官に障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなる病気のことです。治療が遅れると失明に至ることもあります。
進行すると、少しずつ見える範囲が狭くなっていきます。しかし、その進行は非常にゆっくりで、両方の目の症状が同時に進行することは稀なので、病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。
緑内障は中高年の方に起こる代表的な病気のひとつです。症状がない場合でも、定期的に眼科検診を受けることをおすすめします。
緑内障の検査
緑内障の検査には、従来の眼圧測定、視野検査(静的、動的)、眼底検査(視神経の観察)等の他に近年OCT(眼底三次元解析)による早期発見が重視されています。
当院でも最新のOCTで緑内障の早期発見、早期治療開始に努めております。
緑内障の治療
緑内障は、眼圧を下げることができれば、その進行を防止したり、遅らせたりすることができる可能性のある病気です。治療の目的は進行を止める、または遅らせることであり、回復させるものでないことをご理解ください。治療方法としては、薬物療法・レーザー治療・手術がありますが、すべての緑内障に対して同じ治療効果があるのではなく、緑内障のタイプやそれぞれの人に適した治療方針を決定していくことがとても重要です。
(1)薬物療法
多くの緑内障では、薬物療法が治療の基本となります。現在では、さまざまな薬効を持った点眼薬が発売されており、緑内障のタイプ・重症度・眼圧の高さなどに応じて処方されます。点眼薬の種類は緑内障治療薬だけで現在10種類以上あります。一種類の目薬だけで効果が少ないと判断された場合は、複数の目薬を組み合わせて処方されます。(2)レーザー治療
SLT:選択的レーザー線維柱帯形成術について
点眼薬による治療だけでは目標となる眼圧まで下がらないかたや、緑内障の手術を受けるのが困難なかたにも有効な新しい治療法です。
線維柱帯というのは眼内で作られた水(房水(ぼうすい)が排水溝へ抜けていく際に通過する網の目の部分のことです。この網の目の流れを特殊なレーザーによって改善し、眼圧を下げる治療です。この手術は、ほとんど痛くなく約5~10分で終わります。
(3)手術
薬物療法やレーザー治療が功を奏さなかった場合に行われる治療です。
緑内障マイクロフックトラベクロトミー手術
眼圧を下げることで、視神経に対する負荷を減らして、視野の狭窄や視力の低下をできるだけ遅らせるのが緑内障手術の目的です。 当院では、谷戸先生(島根大学)の考案された谷戸式フックを用いた「マイクロフックトラベクロトミー」という新しい術式を用いています。 従来の線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)という手術より術式が簡便で、合併症も少なく、しかもほぼ同等の眼圧下降効果が得られます。
(4)サプリメント
視神経に優しい新しいサプリメント、サンテ・グラジェノックスを販売しています。